精神障がい者を雇用する前に知っておくべきこととは?



こんにちは。サテライトラボ担当の久米川です。


精神障がいの方を雇用するにあたって、「長く働いてもらえるのか?」「コミュニケーションがうまくとれるのか?」などの不安を感じる企業担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。


実際に、精神障がい者の勤続期間は短い傾向にあり、2017年の厚生労働省の調査では、新規で就職した精神障がい者の半数が、1年で離職しています。


障害者雇用促進法の改正により、2018年4月から企業の法定雇用率が2.0%→2.2%に引き上げられ、2021年4月までには2.3%を達成しなければならない状況の今、精神障がい者の雇用に正面から向き合う時がきています。


企業はこの現状をどう受け止め、採用活動や職場環境の整備を行っていけばよいのでしょうか。今回は、精神障がいへの理解を深めるために、症状や分類、雇用するにあたって配慮すべき点などをまとめました。




1.精神障がいの基礎知識


まずは、精神障がいとはどのようなものなのか、基礎知識をおさえていきましょう。

精神障がいを一言でいうと、精神疾患のため精神機能の障がいが生じ、継続的に日常生活や社会参加に相当な制限を受ける状態のことをいいます。障がいの定義やメカニズムが、法律や診断基準によって異なり、判断する専門家によっても、診断名が異なる場合があります。


1‐1.精神障がいの症状

精神障がいと診断される精神疾患の主な種類は、以下の10種類です。


①統合失調症

精神機能のネットワークがうまく働かなくなる疾患で、神経伝達物質の異常が関係しているといわれています。一般的には、前兆期、急性期、休息期、回復期のという4つの段階で経過し、急性期には幻覚、妄想、興奮といった特有の症状が現れます。急激に発症するものや、ゆるやかな発症のために発病の時期が不明確なものまであります。


②うつ病

抑うつ気分か、興味または喜びの喪失に少なくとも1つあてはまり、不眠や無価値 観などの各種症状を合わせて合計で5つ以上が継続的に認められる状態です。


③双極性障害

うつ状態と躁状態が現れる病気です。寛解しても 放置すると数年以内に再発しやすいので、ほぼ生涯にわたる予防療法が必要です。

④てんかん

脳の一部の神経細胞(ニューロン)に、突然激しい電気発射が発生し、発作が引き起こさ れる症状のことです。基本的に一過性で、発作後は普段の状態に戻ることが特徴です。

⑤非定型精神病

典型的な統合失調症、双極性障害、てんかんではないが、複数の症状を呈している際に診断されます。発病は急激で、多くは周期性の経過を示し、回復する可能性が高いです。経過が周期的で欠陥を残す傾向が少ない点は、統合失調症よりも双極性障害に近いといわれています。

⑥不安障害

不安の感情が強くなることで、日常生活や社会参加に支障をきたす症状のことです。パニック障害、強迫性障害などがあげられます。

⑦依存症

 アルコール、薬物、ギャンブルなど特定の物質使用や行為について、自分でコントロール できない状態になり、本人や家族の社会生活に支障をきたしている状態のことです。

⑧認知症

脳の働きの低下が原因となって引き起こされるさまざまな症状のことです。ひどいもの忘れ(記憶障害)、今日の日付や今いる場所がわからない(見当識障害)、段取りよく行動することが難しくなる(実行機能障害)といった症状が出てきます。徘徊、過食・拒食、幻覚・妄想、不潔行動などがあらわれることもあります。

⑨高次脳機能障害

脳卒中や交通事故などによる脳の損傷で、言語や記憶、注意、情緒といった認知機能に支障をきたし、日常生活または社会生活に制約がある状態のことです。

⑩発達障害

発達障害とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能の障害であって、その症状が通常低年齢において現れる症状です。


1‐2.精神障がいの等級


障がいのある人には、自治体から障害者手帳が交付されますが、精神障がいのある方には、精神障害者保健福祉手帳という名前の手帳が発行されます。この手帳には、障害等級と呼ばれる区分があり、精神障がいの場合は1級から3級に区分されています。

精神障がいの判定基準は、精神疾患と活動制限の状態の総合判定により、等級を判定されます。どのような困難があるか、判定基準を参考に理解を深めましょう。


1級

精神障がいによって、他人の援助を受けなければ、ほとんど自分のことができない程度の状態です。例えば、入院している場合は、常に援助を必要とし、家庭でも、適切な食事を用意したり、後片付け等の家事や身辺の清潔保持も自発的には行えない状態です。


・親しい人との交流も乏しく引きこもりがちである。

・自発性が著しく乏しい。

・自発的な発言が少なく発言内容が不適切であったり不明瞭であったりする。

・日常生活において行動のテンポが他の人のペースと大きく隔たってしまう。

・些細な出来事で、病状の再燃や悪化を来しやすい。

・金銭管理は困難である。

・日常生活の中でその場に適さない行動をとってしまいがちである。

2級

精神障がいによって、必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は困難な状態です。例えば、付き添われなくても自ら外出できるものの、ストレスがかかる状況が生じた場合に対処することが困難です。


・医療機関等に行く等の習慣化された外出はできる。

・食事をバランス良く用意する等の家事をこなすために、助言や援助を必要とする。

・清潔保持が自発的かつ適切にはできない。

・社会的な対人交流は乏しいが引きこもりは顕著ではない。

・自発的な行動に困難がある。日常生活の中での発言が適切にできないことがある。

・行動のテンポが他の人と隔たってしまうことがある。

・ストレスが大きいと病状の再燃や悪化を来しやすい。

・金銭管理ができない場合がある。

・社会生活の中でその場に適さない行動をとってしまうことがある。

3級

精神障害によって日常生活や社会生活に支障がある方が対象です。一応の日常生活は単独で行えるものの、大きなストレスがかかると困難になります。


・日常的な家事をこなすことはできるが、状況や手順が変化したりすると困難が生じてくることもある。

・清潔保持は困難が少ない。

・対人交流は乏しくない。

・引きこもりがちではない。

・自主的な行動や、社会生活の中で発言が適切にできないことがある。

・行動のテンポはほぼ他の人に合わせることができる。

・普通のストレスでは症状の再燃や悪化が起きにくい。

・金銭管理はおおむねできる。

・社会生活の中で不適当な行動をとってしまうことは少ない。

2.精神障がい者とともに働くために


精神障がい者が長く働くためには、やはり職場でのコミュニケーションを円滑にし、業務を適宜調整していくことが必要でしょう。障がい者自身が、障がいに対する自己理解を深め、病状を把握し、できること・できないことを会社に伝えることが重要ですが、そのこと自体が困難であるケースが多いと思います。そこは、企業側が関わり方を工夫していく必要があるでしょう。では、具体的にどのような配慮が必要になってくるのでしょうか。


2‐1.企業側の配慮ポイント


業務内容、指示、進め方を明確にする

大まかな指示のみであれば、どのように進めたらいいのか、どこまで自分でとりくんだらいいか、不明な部分が多く発生し、不安やストレスが増大してしまいます。自分から逐一質問することが困難な方もいらっしゃるので、業務の見える化(マニュアル、業務一覧表など)を図りましょう。質問があれば誰に聞けばいいのか、担当者を決めておくことも大切です。


こまめに進捗管理をする

なるべく毎日仕事の進み具合を報告してもらいます。そこで、つまづいていることはないか、業務量の負担感はないかを確認しましょう。逆に、業務をもっとこないしたいといった要望もヒアリングしましょう。


体調を確認する

体調が悪い場合は、誰に、どのように報告してもらうのかを決めましょう。ただ、自分でも症状を自覚できていない場合もあるので、周囲の観察も必要です。表情や業務スピードといったところから、体調の変化を察知できるよう心がけましょう。


休憩をとりやすい体制をとる

責任感が強い方は、業務に対して強い緊張感をもって臨んでいる場合があるので、自分でこまめに休憩をとってよいルールにしたり、責任者が声をかけるようにしましょう。横になれるようなスペースが設けられるのであれば導入したいところです。


定期面談を行う

人事担当者や上司との面談を定期的に実施しましょう。そこで、日常では拾い切れていない困りごとや要望をヒアリングします。外部の支援機関(障害者就業・生活支援センター、地域障害者職業センター、かかりつけの医療機関など)と連携するのも有効です。


2‐2.精神障がい者に任せる仕事の一例


厚生労働省の「平成30年度障害者雇用実態調査」によると、精神障がい者が最も多く雇用されている順に、「サービス」「事務」「販売」となっています。

障がいに対する自己理解ができ、通院・服薬などの自己管理ができていれば、適切な配慮によって、あらゆる仕事に就けるでしょう。

例)データ入力

  システム開発

  名刺管理

  書類管理

  原稿・WEB記事作成

  接客

  書類のスキャンやPDF変換

  資料送付や郵便物の仕分け

  書類やデータの正誤チェック

  資料の作成

  情報収集

  各種データの集計作業

  電話応対

  在庫管理

  社内の健康管理

  清掃



3.まとめ


精神障がいは、外から特性が見えにくい分、配慮が難しいところがあります。疾患の程度も個人差があり、日によっても状態は大きく変わります。思い込みや決めつけで対応するのではなく、相手の立場にたった配慮が必要です。細やかな対応の積み重ねによって信頼関係が育まれ、当事者が相談しやすい雰囲気が生まれます。

また、障がい者に限らず、社員全体のメンタルヘルス対策が昨今企業に求められています。人事部としては、社員全員が安心して働ける職場づくりに取り組むにあたり、精神障がい者の雇用が、良いきっかけになるのではないでしょうか。




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